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<h2>哀歌</h2>
<div class="chapter" id="1">
<h3 class="chapter">第1章</h3>
<div class="para">
<div class="quote">
<em>1:1</em>ああ、むかしは、<br>民の満ちみちていたこの都、<br>国々の民のうちで大いなる者であったこの町、<br>今は寂しいさまで座し、やもめのようになった。<br>もろもろの町のうちで女王であった者、<br>今は奴隷となった。<br>
<em>1:2</em>これは夜もすがらいたく泣き悲しみ、<br>そのほおには涙が流れている。<br>そのすべての愛する者のうちには、<br>これを慰める者はひとりもなく、<br>そのすべての友はこれにそむいて、その敵となった。<br>
<em>1:3</em>ユダは悩みのゆえに、<br>また激しい苦役のゆえに、のがれて行って、<br>もろもろの国民のうちに住んでいるが、安息を得ず、<br>これを追う者がみな追いついてみると、<br>悩みのうちにあった。<br>
<em>1:4</em>シオンの道は祭に上ってくる者のないために悲しみ、<br>その門はことごとく荒れ、<br>その祭司たちは嘆き、<br>そのおとめたちは引かれて行き、<br>シオンはみずからいたく苦しむ。<br>
<em>1:5</em>そのあだはかしらとなり、その敵は栄えている。<br>そのとがが多いので、<br>主がこれを悩まされたからである。<br>その幼な子たちは捕われて、あだの前に行った。<br>
<em>1:6</em>シオンの娘の栄華はことごとく彼女を離れ去り、<br>その君たちは牧草を得ない、しかのようになり、<br>自分を追う者の前に力なく逃げ去った。<br>
<em>1:7</em>エルサレムはその悩みと苦しみの日に、<br>昔から持っていたもろもろの宝を思い出す。<br>その民があだの手に陥り、<br>だれもこれを助ける者のない時、<br>あだはこれを見て、その滅びをあざ笑った。<br>
<em>1:8</em>エルサレムは、はなはだしく罪を犯したので、<br>汚れたものとなった。<br>これを尊んだ者も皆その裸を見たので、<br>これを卑しめる。<br>これもまたみずから嘆き、顔をそむける。<br>
<em>1:9</em>その汚れはその衣のすそにあり、<br>これはその終りを思わなかった。<br>それゆえ、これは驚くばかりに落ちぶれ、<br>これを慰める者はひとりもない。<br>「主よ、わが悩みを顧みてください、<br>敵は勝ち誇っていますから」。<br>
<em>1:10</em>敵は手を伸べて、その財宝をことごとく奪った。<br>あなたがさきに異邦人らはあなたの公会に、<br>はいってはならないと命じられたのに、<br>彼らがその聖所にはいるのをシオンは見た。<br>
<em>1:11</em>その民はみな嘆いて食物を求め、<br>その命をささえるために、財宝を食物にかえた。<br>「主よ、みそなわして、<br>わたしの卑しめられるのを顧みてください」。<br>
<em>1:12</em>「すべて道行く人よ、<br>あなたがたはなんとも思わないのか。<br>主がその激しい怒りの日にわたしを悩まして、<br>わたしにくだされた苦しみのような苦しみが、<br>また世にあるだろうか、尋ねて見よ。<br>
<em>1:13</em>主は上から火を送り、<br>それをわが骨にくだし、<br>網を張ってわが足を捕え、<br>わたしを引き返させ、<br>ひねもす心わびしく、かつ病み衰えさせられた。<br>
<em>1:14</em>わたしのとがは、つかねられて、<br>一つのくびきとせられ、<br>主のみ手により固く締められて、<br>わたしの首におかれ、<br>わたしの力を衰えさせられた。<br>主はわたしを、立ちむかい得ざる者の手に渡された。<br>
<em>1:15</em>主はわたしのうちにあるすべての勇士を無視し、<br>聖会を召集して、わたしを攻め、<br>わが若き人々を打ち滅ぼされた。<br>主は酒ぶねを踏むように、<br>ユダの娘なるおとめを踏みつけられた。<br>
<em>1:16</em>このために、わたしは泣き悲しみ、<br>わたしの目は涙であふれる。<br>わたしを慰める者、わたしを勇気づける者が<br>わたしから遠く離れたからである。<br>わが子らは敵が勝ったために、<br>わびしい者となった」。<br>
<em>1:17</em>シオンは手を伸ばしても、<br>これを慰める者はひとりもない。<br>ヤコブについては、主は命じて、<br>その周囲の者を、これがあだとせられた。<br>エルサレムは彼らの中にあって、<br>汚れた物のようになった。<br>
<em>1:18</em>「主は正しい、<br>わたしは、み言葉にそむいた。<br>すべての民よ、聞け、<br>わが苦しみを顧みよ。<br>わがおとめらも、わが若人らも捕われて行った。<br>
<em>1:19</em>わたしはわが愛する者を呼んだが、<br>彼らはわたしを欺いた。<br>わが祭司および長老たちは、その命をささえようと、<br>食物を求めている間に、町のうちで息絶えた。<br>
<em>1:20</em>主よ、顧みてください、<br>わたしは悩み、わがはらわたはわきかえり、<br>わが心臓はわたしの内に転倒しています。<br>わたしは、はなはだしくそむいたからです。<br>外にはつるぎがあって、わが子を奪い、<br>家の内には死のようなものがある。<br>
<em>1:21</em>わたしがどんなに嘆くかを聞いてください。<br>わたしを慰める者はひとりもなく、<br>敵はみなわたしの悩みを聞いて、<br>あなたがこれをなされたのを喜んだ。<br>あなたがさきに告げ知らせたその日をきたらせ、<br>彼らをも、わたしのようにしてください。<br>
<em>1:22</em>彼らの悪をことごとくあなたの前にあらわし、<br>さきにわがもろもろのとがのために、<br>わたしに行われたように、彼らにも行ってください。<br>わが嘆きは多く、<br>わが心は弱りはてているからです」。</div>
</div>
</div>
<div class="chapter" id="2">
<h3 class="chapter">第2章</h3>
<div class="para">
<div class="quote">
<em>2:1</em>ああ、主は怒りを起し、<br>黒雲をもってシオンの娘をおおわれた。<br>主はイスラエルの栄光を天から地に投げ落し、<br>その怒りの日に、<br>おのれの足台を心にとめられなかった。<br>
<em>2:2</em>主はヤコブのすべてのすまいを<br>滅ぼして、あわれまず、<br>その怒りによって、ユダの娘のとりでをこわし、<br>これを地に倒して、<br>その国とそのつかさたちをはずかしめられた。<br>
<em>2:3</em>主は激しい怒りをもって、<br>イスラエルのすべての力を断ち、<br>敵の前で、おのれの右の手を引きもどし、<br>周囲を焼きつくす燃える火のように、<br>ヤコブを焼かれた。<br>
<em>2:4</em>主は敵のように弓を張り、<br>あだのように右の手を伸べて立ち、<br>シオンの娘の天幕におるわれわれの目に誇る者を、<br>ことごとく殺し、<br>火のようにその怒りを注がれた。<br>
<em>2:5</em>主は敵のようになって、イスラエルを滅ぼし、<br>そのすべての宮殿を滅ぼし、そのとりでをこわし、<br>ユダの娘の上に憂いと悲しみとを増し加えられた。<br>
<em>2:6</em>主は園の小屋のようにおのれの幕屋を倒し、<br>その祭の場所をこわされた。<br>主は祭と安息日とをシオンに忘れさせ、<br>激しい怒りによって、王と祭司とを捨てられた。<br>
<em>2:7</em>主はその祭壇を忌み、その聖所をきらって、<br>もろもろの宮殿の石がきを敵の手に渡された。<br>彼らは祭の日のように、主の宮で声をあげた。<br>
<em>2:8</em>主はシオンの娘の城壁を破壊しようと<br>思い定めて、なわを張り、<br>打ちこわして、その手をひかず、<br>城壁と石がきとを悲しませられた。<br>これらは共に衰える。<br>
<em>2:9</em>その門は地にうずもれ、<br>主はその貫の木をこわし砕かれた。<br>その王と君たちはもろもろの国民の中におり、<br>もはや律法はなく、<br>またその預言者は主から幻を得ない。<br>
<em>2:10</em>シオンの娘の長老たちは地に座して黙し、<br>頭にちりをかぶり、身に荒布をまとった。<br>エルサレムのおとめたちはこうべを地にたれた。<br>
<em>2:11</em>わが目は涙のためにつぶれ、<br>わがはらわたはわきかえり、<br>わが肝はわが民の娘の滅びのために、<br>地に注ぎ出される。<br>幼な子や乳のみ子が町のちまたに<br>息も絶えようとしているからである。<br>
<em>2:12</em>彼らが、傷ついた者のように町のちまたで<br>息も絶えようとするとき、<br>その母のふところにその命を注ぎ出そうとするとき、<br>母にむかって、「パンとぶどう酒とは<br>どこにありますか」と叫ぶ。<br>
<em>2:13</em>エルサレムの娘よ、わたしは何をあなたに言い、<br>何にあなたを比べることができようか。<br>シオンの娘なるおとめよ、<br>わたしは何をもってあなたになぞらえて、<br>あなたを慰めることができようか。<br>あなたの破れは海のように大きい、<br>だれがあなたをいやすことができようか。<br>
<em>2:14</em>あなたの預言者たちはあなたのために<br>人を欺く偽りの幻を見た。<br>彼らはあなたの不義をあらわして<br>捕われを免れさせようとはせず、<br>あなたのために人を迷わす偽りの託宣を見た。<br>
<em>2:15</em>すべて道行く人は、あなたにむかって手を打ち、<br>エルサレムの娘にむかって、あざ笑い、<br>かつ頭を振って言う、<br>「麗しさのきわみ、全地の喜びと<br>となえられた町はこれなのか」と。<br>
<em>2:16</em>あなたのもろもろの敵は、あなたをののしり、<br>あざ笑い、歯がみして言う、<br>「われわれはこれを滅ぼした、<br>ああ、これはわれわれが望んだ日だ、<br>今われわれはこれにあい、これを見た」と。<br>
<em>2:17</em>主はその計画されたことを行い、<br>警告されたことをなし遂げ、<br>いにしえから命じておかれたように、<br>滅ぼして、あわれむことをせず、<br>あなたについて敵を喜ばせ、<br>あなたのあだの力を高められた。<br>
<em>2:18</em>シオンの娘よ、声高らかに主に呼ばわれ、<br>夜も昼も川のように涙を流せ。<br>みずから安んじることをせず、<br>あなたのひとみを休ませるな。<br>
<em>2:19</em>夜、初更に起きて叫べ。<br>主の前にあなたの心を水のように注ぎ出せ。<br>町のかどで、飢えて<br>息も絶えようとする幼な子の命のために、<br>主にむかって両手をあげよ。<br>
<em>2:20</em>主よ、みそなわして、顧みてください。<br>あなたはだれにむかって<br>このように行われたのですか。<br>女は自分の産んだ子、<br>その大事に育てた幼な子を食べるでしょうか。<br>祭司と預言者が主の聖所で殺されていいでしょうか。<br>
<em>2:21</em>老いも若きも、ちまたのちりに伏し、<br>わがおとめも、若人も、<br>つるぎで倒されてしまった。<br>あなたは、その怒りの日にこれを殺し、<br>これをほふって、あわれむことをされなかった。<br>
<em>2:22</em>あなたは、わたしの恐れるものを、<br>祭の日のように四方から呼び集められた。<br>主の怒りの日には、<br>のがれた者も残った者もなかった。<br>わたしが、いだき育てた者を<br>わたしの敵は滅ぼし尽した。</div>
</div>
</div>
<div class="chapter" id="3">
<h3 class="chapter">第3章</h3>
<div class="para">
<div class="quote">
<em>3:1</em>わたしは彼の怒りのむちによって、<br>悩みにあった人である。<br>
<em>3:2</em>彼はわたしをかり立てて、光のない暗い中を歩かせ、<br>
<em>3:3</em>まことにその手をしばしばかえて、<br>ひねもすわたしを攻められた。<br>
<em>3:4</em>彼はわが肉と皮を衰えさせ、わが骨を砕き、<br>
<em>3:5</em>苦しみと悩みをもって、<br>わたしを囲み、わたしを閉じこめ、<br>
<em>3:6</em>遠い昔に死んだ者のように、<br>暗い所に住まわせられた。<br>
<em>3:7</em>彼はわたしのまわりに、かきをめぐらして、<br>出ることのできないようにし、<br>重い鎖でわたしをつながれた。<br>
<em>3:8</em>わたしは叫んで助けを求めたが、<br>彼はわたしの祈をしりぞけ、<br>
<em>3:9</em>切り石をもって、わたしの行く道をふさぎ、<br>わたしの道筋を曲げられた。<br>
<em>3:10</em>彼はわたしに対して待ち伏せするくまのように、<br>潜み隠れるししのように、<br>
<em>3:11</em>わが道を離れさせ、わたしを引き裂いて、<br>見るかげもないみじめな者とし、<br>
<em>3:12</em>その弓を張って、<br>わたしを矢の的のようにされた。<br>
<em>3:13</em>彼はその箙の矢を<br>わたしの心臓に打ち込まれた。<br>
<em>3:14</em>わたしはすべての民の物笑いとなり、<br>ひねもす彼らの歌となった。<br>
<em>3:15</em>彼はわたしを苦い物で飽かせ、<br>にがよもぎをわたしに飲ませられた。<br>
<em>3:16</em>彼は小石をもって、わたしの歯を砕き、<br>灰の中にわたしをころがされた。<br>
<em>3:17</em>わが魂は平和を失い、<br>わたしは幸福を忘れた。<br>
<em>3:18</em>そこでわたしは言った、「わが栄えはうせ去り、<br>わたしが主に望むところのものもうせ去った」と。<br>
<em>3:19</em>どうか、わが悩みと苦しみ、<br>にがよもぎと胆汁とを心に留めてください。<br>
<em>3:20</em>わが魂は絶えずこれを思って、<br>わがうちにうなだれる。<br>
<em>3:21</em>しかし、わたしはこの事を心に思い起す。<br>それゆえ、わたしは望みをいだく。<br>
<em>3:22</em>主のいつくしみは絶えることがなく、<br>そのあわれみは尽きることがない。<br>
<em>3:23</em>これは朝ごとに新しく、<br>あなたの真実は大きい。<br>
<em>3:24</em>わが魂は言う、「主はわたしの受くべき分である、<br>それゆえ、わたしは彼を待ち望む」と。<br>
<em>3:25</em>主はおのれを待ち望む者と、<br>おのれを尋ね求める者にむかって恵みふかい。<br>
<em>3:26</em>主の救を静かに待ち望むことは、良いことである。<br>
<em>3:27</em>人が若い時にくびきを負うことは、良いことである。<br>
<em>3:28</em>主がこれを負わせられるとき、<br>ひとりすわって黙しているがよい。<br>
<em>3:29</em>口をちりにつけよ、<br>あるいはなお望みがあるであろう。<br>
<em>3:30</em>おのれを撃つ者にほおを向け、<br>満ち足りるまでに、はずかしめを受けよ。<br>
<em>3:31</em>主はとこしえにこのような人を<br>捨てられないからである。<br>
<em>3:32</em>彼は悩みを与えられるが、<br>そのいつくしみが豊かなので、<br>またあわれみをたれられる。<br>
<em>3:33</em>彼は心から人の子を<br>苦しめ悩ますことをされないからである。<br>
<em>3:34</em>地のすべての捕われ人を足の下に踏みにじり、<br>
<em>3:35</em>いと高き者の前に人の公義をまげ、<br>
<em>3:36</em>人の訴えをくつがえすことは、<br>主のよみせられないことである。<br>
<em>3:37</em>主が命じられたのでなければ、<br>だれが命じて、その事の成ったことがあるか。<br>
<em>3:38</em>災もさいわいも、<br>いと高き者の口から出るではないか。<br>
<em>3:39</em>生ける人はどうしてつぶやかねばならないのか、<br>人は自分の罪の罰せられるのを、<br>つぶやくことができようか。<br>
<em>3:40</em>われわれは、自分の行いを調べ、<br>かつ省みて、主に帰ろう。<br>
<em>3:41</em>われわれは天にいます神にむかって、<br>手と共に心をもあげよう。<br>
<em>3:42</em>「わたしたちは罪を犯し、そむきました、<br>あなたはおゆるしになりませんでした。<br>
<em>3:43</em>あなたは怒りをもってご自分をおおい、<br>わたしたちを追い攻め、殺して、あわれまず、<br>
<em>3:44</em>また雲をもってご自分をおおい、<br>祈を通じないようにし、<br>
<em>3:45</em>もろもろの民の中に、<br>わたしたちをちりあくたとなさいました。<br>
<em>3:46</em>敵はみなわたしたちをののしり、<br>
<em>3:47</em>恐れと落し穴と、荒廃と滅亡とが、<br>わたしたちに臨みました。<br>
<em>3:48</em>わが民の娘の滅びによって、<br>わたしの目には涙の川が流れています。<br>
<em>3:49</em>わが目は絶えず涙を注ぎ出して、やむことなく、<br>
<em>3:50</em>主が天から見おろして、<br>顧みられる時にまで及ぶでしょう。<br>
<em>3:51</em>わが目はわが町のすべての娘の最期のゆえに、<br>わたしを痛ませます。<br>
<em>3:52</em>ゆえなくわたしに敵する者どもによって、<br>わたしは鳥のように追われました。<br>
<em>3:53</em>彼らは生きているわたしを穴の中に投げ入れ、<br>わたしの上に石を投げつけました。<br>
<em>3:54</em>水はわたしの頭の上にあふれ、<br>わたしは『断ち滅ぼされた』と言いました。<br>
<em>3:55</em>主よ、わたしは深い穴からみ名を呼びました。<br>
<em>3:56</em>あなたはわが声を聞かれました、<br>『わが嘆きと叫びに耳をふさがないでください』。<br>
<em>3:57</em>わたしがあなたに呼ばわったとき、<br>あなたは近寄って、『恐れるな』と言われました。<br>
<em>3:58</em>主よ、あなたはわが訴えを取りあげて、<br>わたしの命をあがなわれました。<br>
<em>3:59</em>主よ、あなたはわたしがこうむった不義を<br>ごらんになりました。<br>わたしの訴えをおさばきください。<br>
<em>3:60</em>あなたはわたしに対する彼らの報復と、<br>陰謀とを、ことごとくごらんになりました。<br>
<em>3:61</em>主よ、あなたはわたしに対する彼らのそしりと、<br>陰謀とを、ことごとく聞かれました。<br>
<em>3:62</em>立ってわたしに逆らう者どものくちびると、<br>その思いは、ひねもすわたしを攻めています。<br>
<em>3:63</em>どうか、彼らのすわるをも、立つをも、<br>みそなわしてください。<br>わたしは彼らの歌となっています。<br>
<em>3:64</em>主よ、彼らの手のわざにしたがって、彼らに報い、<br>
<em>3:65</em>彼らの心をかたくなにし、<br>あなたののろいを彼らに注いでください。<br>
<em>3:66</em>主よ、怒りをもって彼らを追い、<br>天が下から彼らを滅ぼしてください」。</div>
</div>
</div>
<div class="chapter" id="4">
<h3 class="chapter">第4章</h3>
<div class="para">
<div class="quote">
<em>4:1</em>ああ、黄金は光を失い、<br>純金は色を変じ、<br>聖所の石は<br>すべてのちまたのかどに投げ捨てられた。<br>
<em>4:2</em>ああ、精金にも比すべきシオンのいとし子らは、<br>陶器師の手のわざである土の器のようにみなされる。<br>
<em>4:3</em>山犬さえも乳ぶさをたれて、その子に乳を飲ませる。<br>ところが、わが民の娘は、<br>荒野のだちょうのように無慈悲になった。<br>
<em>4:4</em>乳のみ子の舌はかわいて、上あごに、ひたとつき、<br>幼な子らはパンを求めても、これに与える者がない。<br>
<em>4:5</em>うまい物を食べていた者は、<br>落ちぶれて、ちまたにおり、<br>紫の着物で育てられた者も、<br>今は灰だまりの上に伏している。<br>
<em>4:6</em>わが民の娘のうけた懲しめは、<br>ソドムの罰よりも大きかった。<br>ソドムは昔、人の手によらないで、<br>またたくまに滅ぼされたのだ。<br>
<em>4:7</em>わが民の君たちは雪よりも清らかに、<br>乳よりも白く、<br>そのからだは、さんごよりも赤く、<br>その姿の美しさはサファイヤのようであった。<br>
<em>4:8</em>今はその顔はすすよりも黒く、<br>町の中にいても人に知られず、<br>その皮膚は縮んで骨につき、<br>かわいて枯れ木のようになった。<br>
<em>4:9</em>つるぎで殺される者は、<br>飢えて死ぬ者よりもさいわいである。<br>彼らは田畑の産物の欠乏によって、<br>刺された者のように衰え行くからである。<br>
<em>4:10</em>わが民の娘の滅びる時には<br>情深い女たちさえも、<br>手ずから自分の子どもを煮て、それを食物とした。<br>
<em>4:11</em>主はその憤りをことごとく漏らし、<br>激しい怒りをそそぎ、<br>シオンに火を燃やして、<br>その礎までも焼き払われた。<br>
<em>4:12</em>地の王たちも、世の民らもみな、<br>エルサレムの門に、あだや敵が、<br>討ち入ろうとは信じなかった。<br>
<em>4:13</em>これはその預言者たちの罪のため、<br>その祭司たちの不義のためであった。<br>彼らは義人の血をその町の中に流した者である。<br>
<em>4:14</em>彼らは盲人のように、ちまたにさまよい、<br>血で汚れている。<br>だれもその衣にさわることができない。<br>
<em>4:15</em>人々は彼らにむかって、「去れよ、けがらわしい」、<br>「去れよ、去れよ、さわるな」と叫んだので、<br>彼らは逃げ去って放浪者となったが、<br>異邦人の中でも人々は「もうわれわれのうちに<br>宿ってはならない」と言った。<br>
<em>4:16</em>主はみずから彼らを散らして、<br>再び彼らを顧みず、<br>祭司を尊ばず、<br>長老をいたわられなかった。<br>
<em>4:17</em>われわれの目は、むなしく助けを待ち望んで<br>疲れ衰えた。<br>われわれは待ち望んだが、<br>救を与え得ない国びとを待ち望んだ。<br>
<em>4:18</em>人々がわれわれの歩みをうかがうので、<br>われわれは自分の町の中をも、<br>歩くことができなかった。<br>われわれの終りは近づいた、日は尽きた。<br>われわれの終りが来たからである。<br>
<em>4:19</em>われわれを追う者は空のはげたかよりも速く、<br>彼らは山でわれわれを追い立て、<br>野でわれわれを待ち伏せる。<br>
<em>4:20</em>われわれが鼻の息とたのんだ者、<br>主に油そそがれた者は、彼らの落し穴で捕えられた。<br>彼はわれわれが「異邦人の中でも<br>その陰に生きるであろう」と思った者である。<br>
<em>4:21</em>ウズの地に住むエドムの娘よ、<br>喜び楽しめ、<br>あなたにもまた杯がめぐって行く、<br>あなたも酔って裸になる。<br>
<em>4:22</em>シオンの娘よ、あなたの不義の罰は終った。<br>主は重ねてあなたを捕え移されない。<br>エドムの娘よ、主はあなたの不義を罰し、<br>あなたの罪をあらわされる。</div>
</div>
</div>
<div class="chapter" id="5">
<h3 class="chapter">第5章</h3>
<div class="para">
<div class="quote">
<em>5:1</em>主よ、われわれに臨んだ事を<br>覚えてください。<br>われわれのはずかしめを顧みてください。<br>
<em>5:2</em>われわれの嗣業は他国の人に移り、<br>家は異邦人のものとなった。<br>
<em>5:3</em>われわれはみなしごとなって父はなく、<br>母はやもめにひとしい。<br>
<em>5:4</em>われわれは金を出して水を飲み、<br>価を払って、たきぎを獲なければならない。<br>
<em>5:5</em>われわれは首にくびきをかけられて追い使われ、<br>疲れても休むことができない。<br>
<em>5:6</em>われわれは足りるだけの食物を獲るために、<br>エジプトおよびアッスリヤに手をさし伸べた。<br>
<em>5:7</em>われわれの先祖は罪を犯して、すでに世になく、<br>われわれはその不義の責めを負っている。<br>
<em>5:8</em>奴隷であった者がわれわれを治めるが、<br>われわれをその手から救い出す者がない。<br>
<em>5:9</em>われわれは荒野のつるぎのゆえに、<br>おのが命をかけて食物を獲る。<br>
<em>5:10</em>われわれの皮膚は飢餓の激しい熱のために、<br>炉のように熱い。<br>
<em>5:11</em>女たちはシオンで犯され、<br>おとめたちはユダの町々で汚された。<br>
<em>5:12</em>君たる者も彼らの手でつるされ、<br>長老たちも尊ばれず、<br>
<em>5:13</em>若者たちは、ひきうすをになわせられ、<br>わらべたちは、たきぎを負って、よろめき、<br>
<em>5:14</em>長老たちは門に集まることをやめ、<br>若者たちはその音楽を廃した。<br>
<em>5:15</em>われわれの心の喜びはやみ、<br>踊りは悲しみに変り、<br>
<em>5:16</em>われわれの冠はこうべから落ちた。<br>わざわいなるかな、われわれは罪を犯したからである。<br>
<em>5:17</em>このために、われわれの心は衰え、<br>これらの事のために、われわれの目はくらくなった。<br>
<em>5:18</em>シオンの山は荒れはて、<br>山犬がその上を歩いているからである。<br>
<em>5:19</em>しかし主よ、あなたはとこしえに統べ治められる。<br>あなたの、み位は世々絶えることがない。<br>
<em>5:20</em>なぜ、あなたはわれわれをながく忘れ、<br>われわれを久しく捨ておかれるのですか。<br>
<em>5:21</em>主よ、あなたに帰らせてください、<br>われわれは帰ります。<br>われわれの日を新たにして、<br>いにしえの日のようにしてください。<br>
<em>5:22</em>あなたは全くわれわれを捨てられたのですか、<br>はなはだしく怒っていられるのですか。</div>
</div>
</div>